教科書


小中学校と違い、高校の場合、各科目の教科書は教員が選ぶ。5~6年前までは各教科書会社が学校に見本を送っていた。ところが、献本禁止令みたいなのができて、一切来なくなった。採用する教科書は見本市みたいなところへ出かけて調べろ、ということらしい。そのときも困ったのだが...。

あるとき、前年度に、忙しく科会を開いて、どこで誤解が生じたのか、あらたにリーディングとライティングという科目を設置すると都教委に届けてあったらしい。するとその科目の選定理由書?とかいうものも必要だとなった。これは、その科目全部の発行所、教科書番号、教科書名、不採用の理由などを記述した票である。教科で決めていたA先生が私のところに泣きついてきた。「英語Ⅰや英語Ⅱについては作ったけど、そんな科目をやるとはなってなかったよね?」というわけである。目の前に見本自体がないのに、採用も不採用もない。副校長に「いつまでに作るんですか?」と聞いたら「期限は過ぎてるんだよね」∑( ̄Д ̄;)

「近くの○○高校からファイルを貰えるんじゃないですかね?」という話もあり、電話をしたら留守。仕方ないので教務主任にメールをしておいたら、「そういうのはない。今までやったこともない。」という返事。ネグっていて監査でも指摘されなければ気づいていないのだ。挙句に心配になったらしく逆に「どういうものかあったら添付して送ってくれ」∑( ̄Д ̄;)

とにかく、すぐにはどうにもならないので、勤務が終わって自宅でネットで調べてみよう、と思い、「じゃ私がなんとかするから」と承諾した。英語科の教科書って半端じゃなく種類があるんですよ。真面目に教科書の中身を見て検討する時間があると誰が思うんでしょうね。(じゃどうやって決めてるんだ、とつっこまれそうですが。)

文部科学省のサイトなど見て、まあ大雑把に教科書名とか打ちこんでその日は終了。それだけだって、Excelの狭い枠に英語の長い単語は入りにくいんだけどね。次の日は進路の仕事でバタバタして、とてもそれ以上進まない。そうしたら、同じく進路部で英語科のB先生が、「私、やりましょうか」となって、かなり手早く仕上げた。

「できた」と提出したら、教務主任も副校長も「早いね」と驚いていた。「そうでしょ?」と澄ましていたが......B先生、「英語Ⅰ」、「英語Ⅱ」の不採用理由を適当に混ぜてコピーしたのでした。PCはそういう時、ほんとに威力を発揮しますね。

採用した教科書はどうやって選んだかって?。私のところに挨拶にみえた教科書会社の方がいて、なぜか興味があったので、そのときに(内緒で)貰った教科書がたまたま2~3冊あったのです。そこから選びましたよ(^^;

とにかく、こういうものを作らねばならなくなったのはいつからなのか私も知らない。いつのまにか次々とこういう書類、ああいう書類と誰も目を通さないけれど作らなければいけないものが増えた。

その一年こっきりでリーディング、ライティングはやめて前のカリキュラムに戻したので、この件は時効です。

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